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トンボを中心にクモや2,3の虫と人との関わりについてまとめたものです。日本の出版事情を考えると本屋さんの店頭に飾られることはまずないと思われます。本棚に並ぶこともないのではないかと危ぶんでいます。というわけで,それなりに高価な本ですが,購入を希望される方はメールで京都大学学術出版会(sales@kyoto-up.gr.jp)もしくは上田までご連絡下さい。

上田哲行[編]『トンボと自然観』
京都大学学術出版会

(505頁,5700円+税)

帯より
人の心は,一寸の虫に五分の魂を見出す
 嫌われたりコレクターの憧れだったり,いろいろな意味で身近な「虫たち」。様々な自然環境や文化的伝統の中でかれらを見る人々の眼差しが,いかに多様でいかに普遍的であるかを描く。

目  次


ことのはじまり
序章 アキアカネにおける「虫」から「風景」への転換:上田哲行(石川県農業短大)

第1部 トンボへのまなざし
第1章 蜻蛉、呼称の推移にみられる象徴性 ―アキヅ・カゲロフ・トンバウ:横尾文子(佐賀女子短大)
第2章 中国大陸における民俗学的トンボのイメージについて:朱 耀沂(国立台湾大学名誉教授)
第3章 韓国におけるトンボの象徴性:鄭 光
第4章 《朝鮮王朝実録》に載っている昆虫とその象徴性―トンボとセミ,アリを中心に:鄭 光(韓国高麗大学)
第5章 トンボに美をみる:古賀悦子(洋画家)
第6章 日本の近現代文学に見るトンボ:横尾文子
第7章 トンボの方言から見えてくるもの:斎藤慎一郎(著述家)
第8章 もう1つの赤とんぼ―ウスバキトンボとタイリクアキアカネ:東和敬(佐賀大学名誉教授)・沢辺京子(国立感染症研究所)・上田哲行
第9章 日本人はトンボをどのように見てきたか:上田哲行

第2部 虫たちをめぐる自然観
第10章 怨霊の自然観 ―「鳥獣虫の供養塔」に寄せて:横尾文子
第11章 蜻蛉とる子は知恵を得ぬ  ―トンボに関する禁忌伝承について:上田哲行
第12章 害虫観の近代:瀬戸口明久(日本学術振興会特別研究員)
第13章 ゴケグモ騒動からみた日本人の自然観:吉田 真(立命館大学理工学部)
第14章 クモの喧嘩遊びをめぐる民俗文化論:斎藤慎一郎
第15章 クモ合戦の生態学 ―コガネグモはなぜクモ合戦に使われてきたか?:吉田 真
第16章 俳句にみる自然観の変遷 ―昆虫にかかわる用法から:遊磨正秀(京都大学生態学研究センター)
第17章 江戸の虫たちをめぐる表現と言説 ―秋草の美学から虫のパロディーへ:遠藤 彰(立命館大学理工学部)
第18章 ファーブル『昆虫記』の翻訳と読者  ―「虫好き文化ルネサンス」の現代と未来 :遠藤 彰

終章 現代日本人の自然観の構造 ―虫・カミ・ヒト・自然:上田哲行
あとがき
索引

コラム「生物の分類」東和敬・上田哲行
コラム「トンボの仲間」東和敬・上田哲行
コラム「遺伝子による分類」沢辺京子
コラム「ミトコンドリアDNAと核DNAと」沢辺京子
コラム「遺伝子を読む方法」沢辺京子
コラム「いわゆる「赤とんぼ」について」上田哲行・沢辺京子
コラム「虫とはなにか」遠藤彰
コラム「日本で発見されたゴケグモ類」吉田真